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代表挨拶

子どもたちが健全に育つためには、日本の社会で失われつつある「生活体験」を取り戻すことが必要だと考えます。かつて教育は生活と深く結びついて行われてきました。

現代社会を生きる子どもたちは、知識教育が中心の上、オンラインゲームなどのバーチャルな遊びが中心です。しかも、幼い頃から「よく考えなさい」と大人たちに言われて育ちます。「考え」もバーチャル体験のひとつです。そこに、実体験に裏打ちされた「行動」がともなうと、「考え」と「行動」のバランスがとれて、活き活きと生きることが可能になります。子どもたちの体力低下、不登校、いじめ、ひきこもりなどの多くは、「考え」と「行動」のバランスが崩れていることと少なからず関係しています。

NPO法人子どもと生活文化協会(CLCA)は、1992年に学校週休二日制導入に伴う土・日の生活の受け皿として設立され、小田原で90年近い歴史を持つ、寄宿生活塾「はじめ塾」の実践経験を基にして運営されています。

大人と子どもが一緒に学ぶ活動を通じて、青少年が逞しく生きる力を身につけるために、子育て支援、青少年の健全育成、若者の自立支援を中心に社会貢献しています。

  NPO法人 子どもと生活文化協会
理事長 石塚 正孝

CLCAが発足した一九九二年、当時の日本には、家庭や学校、習い事以外に子どもたちが関われる社会教育活動や場所がほとんどなかったことから、有志の方々と共に「小中学生のための土日の居場所づくり」をめざして旗揚げしました。

設立当初から、「生活をテーマにする」「子どもは脇に置かない。子どもと大人がいつでも一緒」という共通理解のもと、縦と横の繋がりを大切にした事業を展開しています。

中でも初期から今日まで途切れることなく継続している活動は、丹沢にある「市間寮」を活用した生活体験合宿です。ゲストを呼んで、複数の家族が山の生活を共にしながら、実体験を通じて気持ちの良い流れを作っていくことを常に掲げています。

その他の活動は時代ごとに特徴があり、そのたびに軌道修正しています。近年は、1990年代のバブル崩壊やリーマンショックの影響で急増した若年無業者(ニート)やひきこもりの若者を支援する事業が増えています。

継続して働けない子どもや若者が増加する理由として、現在の子育て・教育のあり方に問題があります。幼いうちから知識ばかりを詰め込み、それを活かす能力を体得させてこなかったからです。青年期を迎えると対処療法的な取り組みになりますので、今、待ったなしでやるべきことは、「継続して働ける能力を子どものうちに身につけておくこと」だと思っています。

僕らが常に願っていることは、公正・公平な社会づくりです。公正・公平が保障された社会というのは、一人ひとりが自由で解放されています。僕らは、そうした社会の実現を目指して、現実に則した活動を行なっています。

  NPO法人 子どもと生活文化協会
顧問 和田重宏